2023.07.16　神が語られた事は必ず成し遂げられる

この言葉をイエスが生まれる前、マリアに語ったのはエリサベツだった（ルカ1:45）。この実例を旧約のヤコブとヨセフの生涯において見ていこう。神はヤコブ（後のイスラエル）に三度「祝福の約束の言葉」を与えられた。ヨセフには二度、夢を見せて「祝福の約束」を与えられた。だがその後の二人の生涯はすべてが順調だったわけではない。真逆の深い苦難を味わった。その苦難の後に突然、思いがけない方法で祝福が現れた。これが「福音」という名で呼ばれる「神の道・方法・計画」なのである。イエスの十字架の苦難、その後の復活・栄光は福音の典型であるが、福音の祝福はわたしたちにも与えられるものである。創世記35-50章からヤコブとヨセフを見ていこう。

35章）ヤコブの愛妻ラケルは旅路の途中で産気づき、難産の末ベニヤミンを産んだが、生まれた子を見るや、彼女は息絶えた。ヤコブは生涯で初めての深い悲しみを味わった。一番そばにいてほしかった妻だったから。37章）その後、ヤコブは、ラケルの子ヨセフをも失った。一度ならず二度までも心が打ちのめされた。義兄たちへ食糧を届けさせたところ、途中で野獣に襲われて死んだという。血がべっとり着いたヨセフの着衣を見せられた時、父は卒倒した。最愛の息子だったのだ。じつは、死んだというのはウソだった。義兄たちがヨセフを憎み、隊商に売ったのである。なぜ憎んだのか。ヨセフが見た夢は、義兄たちがヨセフにひざまずき、物乞いをするというものだった。それを話せば憎まれること必定なのに、なぜ話したのか。わたしたちも人々に「神の言葉」を話す。「罪や死後のさばき」をも話す。反感を買い、嫌われもするが、話す。

ヨセフはエジプトで奴隷として売られ、13年間、暗い牢獄生活を含め、厳しい苦難を味わった。彼は苦しみ、嘆いたが、それだけではなかった。神に祈り、夢との戦いをした（詩篇105:19）。祈りの中で信仰が与えられ、夢の実現を信じるようになった。安定した日々を送っている人、夢や課題のない人はほとんど祈らない。神と組打ちする経験がない。福音の前半の「苦難」がない。だから、後半の「復活と栄光」もない。イエスの福音は知っていても、自分の福音を知らない。自分の福音を経験しようではないか。

41章）ヨセフはついに神の奇跡を見た。夢の解き明かしをとおして出獄し、エジプトの総理大臣に突如抜擢された。42-46章）義兄たちとの再会。弟や父ヤコブとの再会。ヤコブはとくに喜び、「満足だ」と言った。一族はヨセフのもと、最良の地に住み、ここで大いに増え、イスラエル民族となっていった。義兄らは二度、ヨセフを拝した。