2021.01.17　過越の食事（最後の晩餐）

「過越の食事」の由来は、出エジプト記12章に遡る。イスラエルがエジプトで苦役を強いられ、神を礼拝することも許されない状態だったので、神に救出を求めて叫んだ。神はモーセを立て、彼を通してイスラエルをエジプトから救い出された。その時の夕食が「過越の食事」である。一家に一頭の小羊を焼いて食べ、その血を戸口の柱と鴨居に塗った。夜中に天使がエジプトの家々の初子を殺していった。だが、戸口に血が塗られていたイスラエルの家は通り過ぎた。これを記念して、後にユダヤでは毎年「過越祭」を行い、家々で過越の食事をした。これは一年の始まりの行事でもあった。

イエスは12人の弟子と、ある家の二階の広間でこの食事をされた。その時、パンを裂いて弟子たちに与えて言われた。「このパンはわたしのからだである。わたしを記念するために、このように行いなさい」。ブドウ酒の杯を手にして、「この杯（ブドウ酒）は、あなたがたのために流す、わたしの血で立てられる新しい契約である」と（ルカ22章）。弟子たちは裂かれたパンを食べ、ブドウ酒を飲んだ。じつはイエスはこの事を、弟子以外の人々にすでに語っておられた。

ヨハネ6章の後半。その時、こう言われた、「わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者には、永遠の命があり、わたしはその人を終わりの日によみがえらせる」（54）。「わたしの肉を食べ、わたしの血を飲むは、わたしにおり、わたしはその人におる」（56）と。人々は意味がさっぱりわからず、イエスのもとを去って行った。「わたしの肉を食べ、血を飲む者」とはどういうことか。十字架でイエスの肉が裂かれ、血が流された。彼は、「わたしの身代わりとなられたのだ。わたしは、神への感謝もなく、あがめることもせず、神に無感覚、無関心だった。神による天地創造の恵みの中で生きているにもかかわらず、そうだった」と反省し、刑罰を受けてくださったイエスに深い感謝を覚える人。その人が、「わたしの肉を食べ、血を飲む」人なのです。

神はその人の罪（不義）を赦し、その心（霊魂）に神の霊（聖霊）を与えてくださいます。そして聖霊が、神のことば（メッセージ）を悟らせ、霊魂を生かしてくださる。これが「永遠の命をもつ」ということであり、また、「イエスと神の霊が、その人の霊と共に住まわれる」という意味です。（ヨハネ14:23）。これらは実際に霊的に体験するものであり、単なる頭の知識ではありません。聖霊さまに来ていただくようにすることを常に心がけましょう。どうすれば来てくださるのかを知りましょう。それがもっとも大事な事です。将来の復活にも関係します。