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統一協会から救われて(脱会者の体験談)

投稿者
tcc
投稿日
2022-12-20 03:23
閲覧数
366

私は1969年、4人兄弟の長女として生まれました。貧しくもなく、かといって裕福ともいえない家庭で育ち、常に我慢を強いられながら幼少期を過ごしたように思います。頑固で聞く耳を持たない父と、ヒステリックで感情的な母のもとで、可愛がられて育った弟とは反対に、両親からは関心の外という状態で育ちました。感情の起伏の激しい母は、子育てからくるストレスや怒りを全て私にぶつけ、手をあげる事もありましたが、周囲の環境に恵まれていたおかげで、つらい現実の中でも明るく生きることができました。


しかし、そんな状態がいつまでも続くはずがありません。就職で社会にでた途端、問題に直面することになりました。両親との関係が破綻していたせいか、社会での人間関係が上手く築けず、職場での人間関係や恋愛の悩みなど多くの問題を抱え、とても苦しみました。その心の隙間に、カルトが入り込んできたのです。本来、用心深く疑い深い性格でしたから、カルトに引っかかる事などあり得ないと思っていましたが、一番親しい友人が「世界基督教統一神霊協会」に入信し、私も引きずられるように入信することになったのです。


統一協会は霊感商法、合同結婚式、悪質な偽装勧誘、高額献金など、社会的に様々な問題を起こした宗教団体ですが、当時はそれほど世間には知れ渡ってはいませんでした。統一協会の正体を知らなかった私は、「自分の抱えている問題を解決したい」「こんなダメな自分を変えたい」という切実な動機から、だんだん深みにはまり、熱心に活動するようになっていきました。


世界基督教統一神霊協会は、現在、韓国では数多くの企業を所有する有名な財閥グループになっています。キリスト教の一派を名乗りながら全くの偽物で、人生を台無しにするとても恐ろしいカルト集団です。神の理想世界をこの地上に造ることを目的に掲げていますが、それは表向きであって、本当の目的は教祖である文一族の贅沢な暮らしを支えるためであり、事業拡大と北朝鮮政権への経済支援の資金を確保することが目的です。更に、日本の政治家との癒着も根深く、多くの献金が政治資金へと流れています。その目的のために、統一協会では信者に対して、常に高額な献金を要求してきます。


はじめは相手の話をよく聞いてくれ、親切にしてくれますが、徐々に不安や恐怖を植え付けていきます。そして『原理講論』を用いて人々をマインドコントロールしていくのです。『原理講論』には統一協会の基礎となる「統一原理」が書いてあり、「統一原理」は絶対的真理だと教えられます。しかし、実は『原理講論』の内容は矛盾に満ちていて、聖書や他の資料を用いなくても統一原理そのものによって否定することができます。統一協会の偽の教えについての説明はここまでにして、私の話を続けます。


私は22歳という一番楽しいはずの青春時代に統一協会に入り、30歳まで活動を続けました。昼間は仕事をして、夜は伝道活動や経済活動に明け暮れました。もちろん霊感商法も偽装勧誘もしました。献身した後は協会が運営している店舗や、協会内部の仕事にも携わりました。協会内での仕事に加え、幹部の子供の世話や伝道活動で朝早くから夜遅くまで働き詰めでした。救出される頃には、借金とうつでボロボロの状態でした。


統一協会には精神を病んで徘徊している女性や、高額の献金をし続けたことで自己破産し「助けてほしい」と電話で涙ながらに訴える方もいました。内緒で家族のお金に手を付けてしまい、それが原因で離婚された方や突然失踪して行方が分からなくなった方もいました。私が一番ショックを受けたのは、奥さんの目の前で、ご主人が赤ちゃんを道連れに自殺した事件でした。悲惨な現実を目にしながら、統一協会の掲げる「救い」と自分の良心の狭間で苦しみました。洗脳されていても自分の良心は捨てきれず、苦しい胸の内を毎日神様に祈っていました。


ある日いつものように祈っていると、誰もいないはずの部屋に、突然「安心しなさい」という声が私の頭の中に響きました。驚きとともに、不思議に心が穏やかになったのを今でも覚えています。あれは、神様が私に語りかけて下さった言葉だと信じています。そして、神の救いの御業は、私の知らない所で着実に進んでいたのです。


あるとき、私は職業訓練校でクリスチャンの兄弟と出会いました。私が統一協会の信者だと分かると、私の母に電話でカルト対策をしている教会を紹介してくれました。統一協会の相談窓口となる教会を探していくうちに、実は実家の近くにある教会が、県内で唯一、相談窓口になっている教会だとわかり、母は心から喜んだそうです。両親は1年半その教会に通い続け、私の脱会に向けての学びと計画を立てていたと後で知りました。


一方、私は正しい信仰生活をしていれば問題は解決するだろうと思い、毎日真剣に祈っていましたが、問題が解決するどころか借金は増え、日常生活に支障がでるほどに心身ともに病んでいきました。決められた結婚相手はいましたが、不安定な精神状態で良好な関係は築けませんでした。解決できない問題が山積みになり、苦しみと叫びはピークに達しました。まさにその時、時は満ち、事が動きはじめたのです。


その日、1時間神様に祈りを捧げ、家族奉仕のため家に帰りましたが、そこに家族と親戚が待ちかまえていたのです。必死に逃げようとしましたが、羽交い締めにされて車に押し込められ、家から随分遠く離れたマンションに監禁されました。信仰を捨てさせられるのではないかという恐れから、毎日どうやって逃げようかと考えましたが、全く逃げられる状況ではありませんでした。私は神様がマンションから無事脱出させてくださるという奇跡を信じ、1週間、断食しながら祈り続けました。マンションには毎日牧師が来ていましたが、終始壁を見つめるだけで、顔を見ることも口を利くことも話を聞くこともしませんでした。


何も起きないまま一週間が過ぎ、体力も精神力も限界を迎えていました。このまま信仰を捨てなければいけないのか、地獄に行くのかと絶望的になっていた時、キッチン下にトイレ用洗剤を発見しました。このまま信仰を捨てるより、死んで信仰を全うしようと決意して、神様に祈り、キャップいっぱいにトイレ用洗剤を入れて一気に飲み干しました。幸いなことに、断食していたことが功を奏して体が洗剤を受け付けず、すぐに吐いてしまいました。物音に気づいた家族がすぐに駆けつけ、処置をしてくれました。


私は、やりつくしたのだから後は神さまに任せるしかないという気持ちで、渋々牧師の話に耳を傾けるようになりましたが、それはあくまでも相手を言い負かせてやろうという反抗的な気持ちからでした。しかし、原理講論の間違いや矛盾、文鮮明が宗教的詐欺師であるという事実を知って、反抗的な態度が徐々に変わっていきました。全て嘘だったという絶望感や虚しさから、鬱が悪化するだろうと思いましたが、日々聖書を読むことに没頭し続けたおかげで、正常な精神を保つことができたと思います。以前から統一協会のやり方と良心との間に葛藤があったために洗脳が解けるのも早かったようで、1年もかからず実家に帰ることができました。そして、牧師の勧めもあって、1999年9月、神戸真教会で洗礼を受けました。


聖書を読み、洗礼を受けて真実の神様を知って喜んだものの、すぐに現実は変わりません。多額の借金を抱えながら必死に働く毎日を過ごし、鬱状態も何年間も続きました。幼い頃から愛というものが分からなかった私は、聖書を読み、祈りながらも、神様の愛と十字架の救いがどうしても分かりませんでした。「あなたは高価で尊い、わたしはあなたを愛している」というみことばが、神様が私に向けて語って下さっていることばとは、どうしても思えませんでした。神様は、そんな愛の分からない私に衝撃的な出来事を通して、十字架の愛と救いを示して下さいました。


私は、過去に大きな交通事故を起こしてしまったのです。車は大破し、車から投げ出された物が辺り一面に散乱していました。その瞬間、私は相手の人の死を覚悟しました。私の不注意で人を殺してしまった、一生この罪を背負って生きなければならないのかと思うと、罪の重さに胸が張り裂けそうでした。罪悪感と絶望感に襲われながらも、「とにかく生きていて欲しい」という必死の思いで、相手の車のドアを開けました。ガラスは割れ、車が大破していたにもかかわらず、相手は全くの無傷でした。歩くことも会話することもできる状態だったのです。私は安堵し、命が助かったことを神様に心から感謝しました。交通事故の費用も、父の保険で全額支払われたため、私は一切お金を払うことはありませんでした。痛みと恐怖を伴う体験を通して、自分の罪の重さとその罪を背負って生きることがどれほど苦しいことかを知ったのです。と同時に、罪が赦されるということがどれほど素晴らしい恵みであるか身をもって体験しました。


その後も、失業する度に仕事が与えられ、多額の借金も遅れることなく返済できました。人に裏切られるも、みことばに慰められ、共に喜び合える信仰の友が与えられました。神様は素晴らしいお方です。信仰生活を通して、神様の愛を何度も体験させて頂き、神の愛によって変えられました。全ての出来事が、神の愛を知るためであり、神の御手の中で行われてきたことだったと確信しています。幼少期の辛い経験や統一協会での過酷な体験、度重なる私の失敗を通して、神様は十字架の愛を教え、すべてを益に変えて下さいました。


『恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る』イザヤ書41:10


私が一番大切にしているみことばです。波乱万丈な人生ですが、神様の奇跡と恵みで彩られた人生です。これからも、神様が豊かに恵みを与え続けて下さると信じています。


2021年10月1日
王野雅子(高松市)

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