2020.03.01　夫と妻の関係性について

マタイ19:3-12

律法主義者のパリサイ派がイエスに質問した。「夫が妻を離縁するのは差支えない事ですか」。イエスは創世記2:24を引用して、「人は父母を離れ、妻と結ばれ、二人は一体となるべきである」とある。夫と妻はもはや二人ではなく、一体である。神が合わせたものを人は離してはならない」と。パリサイ派は、「ではなぜモーセは、妻を離縁する場合は離縁状を出せと定めたのですか」と言った。離縁が認められないのなら、離縁状など必要ないはずですというわけだ。イエスは答えた、「あなたがたの心が頑ななため、モーセはそう言ったのだ」と。つまり、夫たちが創世記2:24を無視して、自分勝手に簡単に妻を離縁するため、モーセはそれを改めさせようとして、離縁するなら離縁の理由を書いた離縁状を渡せと定めたのだと。そして、「妻の不品行（夫以外の男性と性的関係をもったり、同棲関係をもつこと）以外の理由で離縁し、他の女性と再婚するのは、姦淫の罪を犯すのと同じだ」と言われた。これを聞いて弟子たちが驚き、自由に離婚し、再婚することが姦淫の罪になるのなら、「最初から結婚しないほうがましです」と言った。結婚しないで独身でいるのは、そのように授かった者であると言われた。昨今は同性同士が夫婦を名乗るなど、神の結婚観が破壊されている。

創世記2:24にみる「夫婦は一体」という神の結婚観を、使徒パウロはエペソ5:22-33で、「キリストと教会の関係」を表す奥義だと述べている。そして、同2章、4章において、イスラエル・ユダヤ人と異邦人は互いに「遠い関係」だったが、キリストにあって「一つとされ」、「神の家族とされた」と語った。つまり、キリストの十字架の刑死により、「罪の赦しと贖いを受け」、さらに使徒2:32-33にあるように、キリストから「聖霊を授与され」て、霊性が新たにされ、「新しい人に造り変えられる」ことによって、二つの者が一体化されると語った。これは、夫と妻がどのようにして一体化されていくのかを教えるものであり、またさらに、「夫と妻」が、キリストの十字架死への深い感謝をもち、自己を十字架死に合わせる。それによって聖霊が自己の霊性に臨まれる。そして、霊性を新しく造り変えていってくださる。すなわち、「夫も妻も」共に、新しい霊性となり、「キリストの花嫁」とされなければならないのである。聖霊は、神の計画、キリスト、聖書の霊的真理を知らせ、わたしたちに「霊的いのちと光を豊かに与える」働きをされる。神の前に自分を低くする者に聖霊が与えられ、霊性を引き上げて下さるのである（ペテロ第一5:6）。