2022.02.20　イスラエル

「イスラエル」の名は、神がヤコブに与えたものですが、彼の子孫もこの名を使い、いまもイスラエル国家、国民として使われています。ヤコブの祖父アブラムに神が声をかけました。「いまいるところを出て、わたしが示す地に行きなさい」と。住み慣れた地を離れ、友人親戚とも別れて、見ず知らずの地へ行くのは、正直イヤなものです。心身共に大きな犠牲を払うわけですから。苦悩と思案の末、彼は神に従う決断をしました。行き先も見えないまま進んで行き、二つの出来事に出会った後、神が彼に、「目を上げて、東西南北を見渡しなさい。そこを縦横に行き巡りなさい。あなたと子孫に与えます」と語られた（創世記13章）。ヨシュアとイスラエルが、アブラムが見渡した地（カナン）を、「縦横に行き巡り」、先住民と戦いながら獲得していきました。「ヨシュア記」はその記録です。

世代も時代も変わったが、神の約束は変わらなかった。アブラムの子孫が約束どおり得たからです。神はモーセに、「イスラエルを『乳と蜜の流れる地』に導き入れる」と語られたが、先週も書いたように、それは「神との密接な霊的交流をもつことで得られる祝福」を意味しています。カナンの地そのものは「生活の場」です。彼らは「生活の場」を得たのです。神との密接な霊的交流をもたなかったため、神の霊的祝福（乳と蜜。ペテロ第一2:2「混じりけのない霊の乳」、詩篇119:103「み言葉は蜜より甘い」）を受けるには至らなかった。

新約の「イスラエル・神の民」（教会）には、イエス・キリストによる「罪の赦し（贖い）」と「聖霊」が与えられます（エペソ1:7-19）。聖霊は、わたしたちの霊魂の目を開いてくださり、神とみことば（聖書）を悟らせ、「神の国」、「信仰の力」を悟らせてくださいます。これが「神の祝福」です。わたしたちの霊魂の中に流れる「乳と蜜」です。教会へ導かれたものの、いまだに「乳と蜜が流れる」経験には至っていない人は、カナンに導かれたイスラエルと同じです。無関心や自分への固執（自己保身）を捨て、「信仰の父アブラハム」に倣って、神の言葉を信頼し、従順しましょう。そうすれば、神が導いてくださり、「開かれた、低くされた霊魂」の中に聖霊が来てくださり、「乳と道」（神の声、みことば）を示し、悟らせてくださいます。「従う」とは、「謙虚さ」であり、神を「あがめ、敬う」ことにほかなりません。だから神が喜ばれ、祝福を与え、働かれるのです。