2020.01.19　神の力を引き出す信仰

マタイ17:14-21

イエスと三人の弟子（ペテロ、ヤコブ、ヨハネ）が山を下り、群衆が待っている所へ帰られた。一人の人が来て、「わたしの子をあわれんでください。癲癇（てんかん）の持病があり、苦しんでいます。発作が起きると火の中、水の中、どこででも倒れてしまいます。お弟子さんに治してもらおうとしましたが、だめでした」と言った。イエスは「その子をここにつれてきなさい」と言い、その子の中にいる悪霊に「出て行け」と命じられた。すると悪霊はすぐに出て行き、子は癒された。弟子たちは、「わたしたちが追い出せなかったのはどうしてでしょう」と尋ねた。イエスは、「信仰が足りないから」と答えられた。「もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、山に向かって、あそこへ移れと言っても移る。あなたたちにできない事は何もない」と言われた。

信仰が足りない。だれにとって「足りない」のか。神にとってである。神の心が動かされるほどの「生きた本物の信仰」であれば、神は働かれる。昨年9月、アメリカの有名な俳優ブラッド・ピット（ブラピ）が来日した。宇宙飛行士だった毛利衛さんはブラピに国立日本科学未来館に来てほしいと頼んだ。だが、台風15号の影響で日程が厳しくて行けないと断わられた。そこで毛利さんは、展示中の冷凍保存状態のマンモスの子象の体毛を一本抜いてブラピに見せて言った。「本物だよ。実物がいるから見に来ないか」。ブラピの心は動いた。一本の本物の毛を見て彼が動いた。

ローマの百人隊長はイエスに、「ただお言葉をください。そうすれば家僕の病気は治ります」と言った。「キリストの言葉に賭ける信仰」をもったのでイエスは感心された。（ マタイ8:8）　12年間病気に苦しみ、いろいろな方法を試したが治らなかった婦人が、イエスに最後の望みを賭け、「イエスの衣の裾に触れるだけでも癒される」のではと信じて、幾重もの群衆を掻き分け、イエスのそばまで近づき、手を伸ばした。彼女の信仰にイエスは感心された。（同9:20-22）　二人の盲人もどこまでも諦めずイエスの後を追い、追いついた。「わたしにそれができると信じるか」「信じます」。イエスは手を触れて目を癒された。（同9:27-30）　三人に共通していた大事な点は、癒してくださいという「願い」よりも、「癒される」という信仰をもった事である。この点を見倣いたい。

どうすればこの「生きた本物の信仰」がもてるのか。信仰は御言葉からくる。マルコ11:23-24、へブル11:1、同3:14、同10:23、35-36、同11:6、ヨハネ第一5:14-15。これらの御言葉を心にしっかり留め、見つめ、アーメンと何度でも告白して根付かせていく。