2023.12.17　イエスがめざした究極の目的とは何だったのか

　イエス・キリストの誕生を「救い主の誕生」とも言います。「救い主」をユダヤの言葉、ヘブライ（へブル）語では、「マシアへ」（メシア。油注がれた者）と言い、『新約聖書』が書かれたギリシャ語では「クリストス」（日本語ではキリスト）と言います。キリストを「救世主」と呼ぶ人もいますが、彼は「世を救うために」来たわけではありません。では「何を」、いや「誰を」救うために来たのか。何が「救い」なのか。それを見ていきましょう。ヨハネ17章のイエス・キリストの言葉がそれを明らかにしています。読みましたか。理解できましたか。彼の誕生の究極の目的、いや人間創造の神の究極の目的がここで語られています。紙面の都合で要点だけを記します。イエスは神（父）に次のように祈り、語られました。

1）「あなたの栄光を現わしますから、わたしの栄光を現わしてください」

　十字架刑による死をわたし（イエス）が引き受けますから、復活・昇天後、神の栄光の聖霊を、イエスに従う人々に与えてくださいと言われたのです。

2-3）「わたしに下さった者に永遠の命を授けさせる」

　聖霊によって神の言葉（永遠の命）がイエスに従う者に、順次与えられるということです。

6,8）「世から選んで、わたしに賜った人々…に、神の言葉を知らせた。彼らはそれを受け、知り、信じ、その言葉を守った」　10-15）「わたしは父（神）に与え、父はわたしに与えて下さる。わたしたちは一つです。彼ら（信者たち）もわたしたちと一つになるように守ってください」　17,21-23）「真理の言葉で彼らを聖別してください。わたしは聖霊を彼らに与えました。彼らがわたしたちと完全に一つになるためです」

　イエスをとおして神の栄光（聖霊）と、それがもたらす神の言葉に従う者は、心が次第に聖別され、神・キリストの思い、価値観、めざすものと「完全に一つになる」。すなわち一致する。この一致（一つになること）がキリストの究極の目的です。このために来られたのです。神の人間創造の目的もここにあります。その完全な実現は、イエスに従う者が地上を去った後の「神の国」において見るようになります。地上においてはその前準備がなされ、到達への初歩的、中程度的な過程を経験します。

24）「彼らがわたしのいる所に一緒にいるようにしてください。彼らに栄光を見させてください」