2019.06.02　神の備えと平安

マタイ10:11-13「ふさわしい人を尋ね、平安を祈ってあげなさい」

イエスは十二弟子を選び、二人一組とし、ガリラヤ地方の町々村々へ宣教に遣わされた。その時、六つの留意点を話された。先週その一と二を書いたので、今日は四と五を書くことにする。

四は、「金銭を持っていくな」と教えた。福音宣教によって、心と霊魂の救いを受け、あるいは、病の癒しを受けたなら、その人が神に感謝して、神の働き人に「ささげ物をする」のは当然のことだからである。

五は、町や村を立ち去るまで滞在させてくれる人を探し出し、その人のために平安を祈ってあげなさいと教えた。滞在させてくれる人が町々村々にいるのだろうか。主の山に「備えあり」（創世記22:14）。神は、備えておられる。イエスは言われた、「あなたがたは心を騒がせないがよい。神を信じ、わたしを信じなさい。わたしは、あなたがたのために場所を用意しに行くのだから」と（ヨハネ14:1-2）。

神はヤコブ（イスラエル）たちのためにヨセフを用い、備えられた。彼に夢を見せ、その夢の実現のために苦労をさせられた。兄たちにエジプトへ売られ、あらぬ罪を着せられ、悪者にされ、地下牢に入れられた。苦労は13年も続いた。しかし彼は、神の夢（ことば）は必ず実現すると信じ続け、栄光を神にささげ続けた。ついに神の時が来て、エジプトの王が見た夢の解き明かしをするチャンスをヨセフが得て、解放され、総理大臣に抜擢された。7年続いた飢饉の時、ヨセフの招きでヤコブたち家族がエジプトに迎えられ、豊かな地を与えられた（創世記37-50章）。

六組の弟子たちは、それぞれの所で、「ふさわしい人」を得たにちがいない。弟子たちは、家に迎え入れた人たちのために、「平安」を祈った。その祈りとことばを信じる心に神の平安が来て、霊魂が深いやすらぎに包まれる。弟子の滞在中、神とイエスの「ことば」を聞く。その一つ一つを信じ、受け入れるなら、平安が「日々の暮らし」に及ぶようになる。神の「ことば」は、今日・明日だけでなく、人生（生涯）を貫き、さらに肉体を離れ、霊魂だけになる永遠の世にまで及ぶ。神の言葉は「霊であり、霊の命」である。神の言葉を持つ弟子たち、イエスを知る弟子たちを、まだあまりよく知らないのに、家に迎え入れることは、少し勇気と苦労が要るが、霊魂に受ける報いははなはだ大きい。

「天国は、良い真珠を捜している商人のようなものである。高価な真珠一個を見出すと、行って持ち物をみな売り払い、これを買うのである」（マタイ13:45-46）