2018.09.09　十二弟子たちとの出会い

マタイとマルコはイエスが荒野での試誘の後、バプテスマのヨハネが捕らえられたと知ってガリラヤへ行かれたと書いているが、ヨハネ福音書は試誘の後、再びバプテスマのヨハネのもとに行かれたと書いているので、ヨハネ福音書に従う。バプテスマのヨハネはイエスを見て、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」と言った。そして、自分は水でバプテスマ（洗礼）を授けたが、あの方は聖霊によってバプテスマを授ける方で、あの方こそ神の子だとも言った。翌日再びイエスを見て、「神の小羊」と再び言った。

アンデレと後に福音書を書くヨハネがイエスについて行った。「何か用か」。「先生、どちらに宿泊しているのですか」。「ついてくればわかります」。二人はついて行き、同じ宿に泊まることにした。アンデレはすぐ兄弟のシモンを探し、「キリストにいま出会った。今夜同じ宿に泊まるよ」と言った。そしてシモンをイエスに紹介した。「あなたはシモンだが、ケパ（ペテロ）と呼ぼう」とイエスは言った。翌日、ガリラヤへ帰ろうとされた。彼らもガリラヤ湖周辺の人だった。道の途中、アンデレたちが同郷のピリポを見つけ、イエスのもとにつれてきた。「あなたも一緒に来なさい」。アンデレたちは知っている限りピリポにイエスのことを話した。ピリポはすぐ受け入れた。彼は友人を捜しに行った。ナタナエルである。

「律法と預言者が言っている人に出会ったぞ。ヨセフの子で、ナザレのイエスだ」。するとナタナエルは、「ナザレから良いものなど出るわけないじゃん」と言った。わたしも若い時、高校時代の友人に教会へ行こうと誘われた時、教会に行って「何になる」と思った。価値がないと思っていた。友人が頼むので仕方なく行った。ピリポは自信をもって言った、「来ればわかる」。イエスはナタナエルを見て、「この人は真のイスラエル人だ。心に偽りがない」と言われた。「どうしてわたしの事がわかるのですか」。「ピリポに会う前、あなたがいちじくの木の下にいるのをわたしは見ました」。これを聞いてナタナエルは驚き、「あなたは神の子です。イスラエルの王です」と告白した。「それくらいの事で驚いたのか。天が開け、神の御使たちが人の子の上に、上り下りするのを見るであろう」。

これは創世記28章でイスラエル人の直接の父祖ヤコブ（イスラエル）が兄と父を欺き、家を出て、行く末を案じていた時、神が夢の中で見せた「天に届く梯子（はしご）」のことを言われたのである。ヤコブは驚き、ここは神の家、天の門だと告白した。イエスは本物の梯子として登場されたのである。