2022.05.08　旧・新イスラエル再建の預言

創世記1:27に、「神は自分のかたちに人を創造された。男と女に創造された」とある。人間には「神のかたち」すなわち「霊魂」がある。ゆえに神は人間を特に愛される。神に背を向け、距離をおく人間にさえも、神の御子キリストを与え、罪の赦しを与えて神の国を得させようとされるのは、そのためである。この事について旧約聖書イザヤ書44章の「預言」から学んでみよう。

イザヤ書の預言に出てくる「イスラエル」は、「神の民」という意味である。旧約時代では文字通り一民族を指したが、新約時代つまりキリスト以後は、民族に関係なく、だれであってもキリストを信じ、受け入れる者を「神の民」とされた。「血統によるイスラエル」ではなく、「信仰によるイスラエル」（霊的イスラエル）である。イザヤ44:21-28は、この二つのイスラエルに向けて語られている。いわば預言の二重性である。イザヤ44:21-28は、神に対する罪、とがを「赦した」から、「神に立ち帰れ」という前半の内容と、罪の結果、祖国がひどく荒廃したが、再び再建されるという後半の内容から成っている。

旧約時代のイスラエル（ユダヤ人）は神への罪の結果、バビロニア帝国に国を破壊され、バビロニアへ強制移住させられる。約70年後、ペルシャ帝国の初代王クロスがバビロニア帝国を滅ぼし、彼らを解放し、帰国の許可を与える。帰国した者は荒廃した町々やエルサレムを再建し、神殿の基を据える。このことをイザヤは神の霊感によって百数十年前に知らされて預言した。後年これらはすべてそのとおりになった。

キリスト以後、神とキリストに「立ち帰る者」は新約の「神の民」（霊的イスラエル）であり、「教会」と呼ばれる。教会とは「立ち帰る」個人であり、またその集合体である。では教会にとっての「再建」とはどういうことか。コリント第一3:16に、「あなたがた（教会）は神の宮である。主の御霊が宿っておられる」とある。神殿のあるところがエルサレムだが、神殿が壊われたままのキリスト信者が多い。それを再建しなければならない。どう再建するのか。まず自分自身を日々神にささげて、「燔祭の祭壇」を再建する。すると聖霊が彼の心霊の中に宿られる。聖所とされる。聖霊が光となって、みことばを次々に示してくださり、「神の国」が心霊に豊かに与えられる。霊とまことをもって礼拝するようになる（香の祭壇）。