2022.12.11　み心が地にも行われるように祈りなさい

イエスはある日、ガリラヤで、小高い山にのぼり、寄って来た弟子たちに、神の国にふさわしい人間とはどういう人かをあれこれ語られた。マタイ福音書は5-7章にわたってその時の話の内容を記している。6:5-13は、「祈りについて」語られた。「み心が地にも行われるように祈りなさい」は6:10にある。「地」は土地ではなく、人間のこと。とくに人間の心とその奥にある霊魂を指している。神のみ心が人間の心と霊魂に行われるように祈りなさい。では、人間に対する「神の心」（思い、考え、計画）とは何か。旧約時代では神がアブラハムに声をかけ、家から導き出してカナンまで来た時、「この地をあなたの子孫に与える」と言われた（創世記12:7）。彼の子孫であるイスラエルがヨシュアの時にカナンの地を獲た。「足の裏で踏む所はみな与えられた」（ヨシュア1:3）。

イエス・キリストの登場により新約時代に入った。この時代の「神の民」（霊的イスラエル）に神が与えるものは何か。この世の土地ではない。神の国（御国）である。それは目に見える国ではなく、神の霊の国（世界）である。神の国は、神のことばと聖霊によって人間の霊魂と心にもたらされる。ヨハネ1:3-4に、「神の言には命があり、光がある。光は闇に勝つ」とある。聖霊によって来る神からの「ことば」が人間の霊魂に入ると、霊魂は生かされ、喜び、感謝、恵み、祝福、勝利、平安、力、忍耐、希望、愛など、その時々に与えられるもので心と魂が最高に恵まれ、満たされ、極上のしあわせを味わう。光は「気づき」を与えてくれる。よくわからなかった「みことばの世界」が自分の霊と心によくわかるようになる。天の扉が開かれる。心が解放される。サイズが大きくなる。これが神が人間の心と霊に与えようとされる「み心」である。同じ10節で、「御国が来ますように」とあるのは、この事を言っている。

では、どのようにして受け取っていくのか。神とキリストに「心を開く」（黙示録3:20）。その前に、神に対して無関心であったことを認め、神に赦しを得よう。神の御子キリストが、赦しのために犠牲になってくださったことを知ろう。十字架の死である。キリストに心から感謝して、すなおに赦しを受け取ろう。感謝が心を開く。開かれた心に、主が来てくださり、聖霊と「ことば」を与えてくださる。霊魂を生かす命であり、照らす光である。そのようにして、主に心をさらに開きながら、次々と聖霊と「ことば」を受け取っていく。光は闇に勝つ。心と霊の中に潜む、さまざまな種類の闇や悪が自分の中で明るみになり、次々追い出されて、神の光と命（御国）がとって代わり、住むようになる。